

前歯のインプラントは難易度の高い治療です。
前歯を支える歯槽骨の唇側は極めて薄いため、抜歯直後から吸収が始まってしまい数か月で陥凹してしまいます。
そのため、当センターでは前歯のインプラントに際しては可能な限り抜歯即時埋入を行うようにしています。
抜歯と同時にインプラントを埋入することで、唇側歯槽骨の吸収を最小限に留めます。
また抜歯して相当期間経過してしまっている場合にはGBR法(骨再生誘導法)を併用し、骨の高さや幅のボリュームを回復させる手術を行います。

術前
レントゲン撮影にて右上2番と左上1番の歯根破折が認められ、抜歯してインプラント治療となりました。
仮歯の作成
抜歯やインプラント治療の前に、仮歯を装着し、審美性の維持を図ります。
この仮歯はインプラント治療終了時まで装着していただきます。
抜歯術
術前CT検査にて左上1番の唇側歯槽骨吸収を認めたため、左上2番の抜歯即時インプラント埋入および右上1番の抜歯即時埋入+GBR手術を同時に行います。
インプラント埋入手術
右上2番にインプラントを埋入し歯肉貫通のヒーリングアバットメントを装着。右上1番にはインプラント埋入後AGF添加人工骨+メンブレンにて被覆します。
インプラント埋入手術後
左上1番のGBRでのボリューム維持のため、骨膜切開による減張を行い創部を完全に被覆します。仮歯を装着し4か月後に型取りを行います。
治療完了
左上2番、右上1番ともに歯肉のボリュームを維持しており左右のバランスも調和が取れています。